5分で分かる地震保険の仕組み
このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に対し、心からお見舞い申し上げます。
甚大な被害が発生した今回の東北地方太平洋沖地震により、改めて地震保険が注目されているようです。そこで、本来は生命保険に関するコラムではありますが、今回は地震保険について簡単に説明したいと思います。
「損害保険料率算出機構」の調査によると、2009年の地震保険の契約件数は12,275,087件、53,362,801世帯が加入、世帯加入率は23.0%となっており、これらは年々増えているという状況です。
地震が発生すると被害が大きくなる傾向があり、巨額の保険金を支払う可能性が高くなります。そのため、地震保険には“国と損害保険会社が共同で運営する公共性の高い保険”という特徴を有しています。
地震保険では被害規模が大きくなるほど、国が支払う保険金の割合が増えるようになっており、1回の地震で支払われる保険金の限度額は5兆5,000億円です。1,150億円までは損保会社が保険金を支払い、それ以上は政府と損保会社で50%ずつ負担し、1兆9,250億円から5兆5,000億円までになると政府が保険金の95%を支払う仕組みとなっています。
意外と知らない人も多いのではないかと思いますが、地震保険には単独で入ることができません。火災保険にすでに加入しているか、火災保険と一緒に契約する必要があります。
地震保険が補償するのは、火災保険でカバーされない損害です。地震・津波・火山の噴火を原因として、住宅(居住用建物)や家財(生活用動産)が損壊・流失・焼失した場合の損害を補償します。火災保険では、地震を原因とする火災は補償していないのです。地震保険では「火災保険の補償額の30%~50%」という上限が設けられており、しかも住宅の最高補償額は「5,000万円」、家財の場合は「1,000万円」までとなっています。
家財に対する損害をカバーすると述べましたが、車や30万円を超える貴金属・宝石・有価証券などは補償対象外なので注意が必要です。
損害保険の多くは実損払いとなっているのですが、地震保険の場合は実際の損害額ではなく、次の3つの補償割合により保険金が支払われる仕組みとなっています。そのため、認定される損害が全損か半損かにより、支払われる保険金の額にかなりの差が生じてしまいます。
全損の場合は地震保険の補償額の100%(※時価が限度)
半損の場合は地震保険の補償額の50%(※時価の50%が限度)
一部損の場合は地震保険の補償額の5%(※時価の5%が限度)
損害については、保険会社の調査員が建物や家財の状況を確認した上で認定がなされます。しかし、日本損害保険協会では今回の震災の保険金を迅速に支払うために、航空写真や衛星写真により確認を行い、壊滅的な打撃を受けた地域については原則全損に認定することを決めています。
住宅の場合、基礎・柱・屋根・壁などの主要構造部に対する損害であることが必要です。そのため、主要構造部ではない塀が壊れたというケースでは、保険金は支払われません。
地震保険では、住宅の構造や所在地(都道府県)により保険料が異なるという特徴があります。構造は鉄骨やコンクリート造の建物である「イ構造」と、木造の「ロ構造」に区分され、後者のほうが支払う保険料は高くなります。
また、地震リスクが高いあるいは被害が大きくなると予想される、東京都・神奈川県・埼玉県・大阪府・三重県・愛知県・静岡県などでは、保険料が高く設定されています。具体的な数字で表すと、保険期間が1年で保険金額1,000万円、ロ構造の住宅の場合、最も高い東京都は31,300円、最も安い岩手県では10,000円の保険料となります。
なお、建物の免震・耐震構造に応じた割引(10%~30%)の適用や、所得税・住民税の地震保険料控除があります。
