生命保険の二重課税は違法ってどういうこと?
年金払い型生命保険の保険金を受け取る遺族に対し、相続税と所得税を課税することが認められるかが争点となった訴訟(生命保険の二重課税問題)において、最高裁判所は違法という判決を下しました。
年金払い型生命保険というのは、保険料を支払っている被保険者が死亡した場合に、遺族に対し年金のような形で保険金が支払われる生命保険のことです。
それでは、生命保険の二重課税問題はどのようなものなのでしょうか。また、何が争点となったのでしょうか。
裁判を起こした人は、2,300万円の保険金を230万円ずつ、10年にわたって受け取る年金払い型生命保険に加入していました。しかし、相続税として一時金の4,000万円のほか、10年間で分割して支払われる2,300万円の年金についても将来の年金受給権とし、その6割(1,380万円)を課税対象とされました。さらに、毎年受け取る230万円の年金も、別の財産として所得税が課されることとなったのです。
そこで、裁判所に“同じ財産に対し、相続税と所得税を二重に課税するのは違法だ”ということを訴えました。
実はこのような二重課税を、国税庁では40年以上前から行ってきました。国税庁は“相続税の対象は遺族が年金を受給する権利(年金受給権)で、毎年受け取る年金とは法的な性質が異なる”と判断していたからです。そして、今回までこのような課税について裁判を起こした人はいませんでした。
しかし、今回初めて最高裁判所は違法な二重課税だと判断したわけです。
それでは、取られ過ぎた税金はどうすれば戻るのでしょうか。税法上では、判決により解釈が変わった場合、誤納分の所得税については最大5年前まで遡って取り戻すことができるとされています。還付の指針が決まり次第、国税庁のホームページにおいて公表するほか、税務署の窓口でもパンフレットを配布する予定のようです。
しかし、“たった5年分しか還ってこないの?”と思う方も多いのではないでしょうか。
この点につき、野田佳彦財務相は5年以上前の所得税の過大徴収分についても、還付する方針であることを示しています。詳細については現状では分かりませんが、今後の動向に注目すべきでしょう。
